伝言板其の三



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一病息災


タレント 坂上二郎さん 74

脳梗塞(1)左手の感覚がない

「脳梗塞(こうそく)は、晴天のへきれきでした。私がそんな重病にかかるなんて信じられず、しばらくは事態を受け止められませんでした」

 2003年9月25日、埼玉県内のゴルフコースで体に異変が起きた。アウトの6番、パー5のロングホールだった。

「3打目を打とうとした時、たまたま一緒に回っていた知人の医師が叫んだんです。『二郎さん、そのまま動かないで』。何のことやら分かりません。ただ、ボールをなかなか打てなかったことを覚えています」

 左手でクラブをしっかり握れず、親指と人さし指がだらんと伸びていた。「右手だけで打とうとしていたんですから、うまくいくわけないですね。左手の感覚がなくなり、自分では異常に気づかなかったんですね」

 「そこに横になってください」。医師の指示に、いぶかりながらも従ったが、周囲で乱れ飛ぶ「救急車」という言葉を聞いても、「あと3ホール、どうするんだ」と心配が先立った。

 「息を吸って、吐いて」「そりゃあ、吸ったら吐きますよ」。言ったつもりの冗談は、医師には伝わらなかったようだった。口にもまひが及び、ろれつが回らなくなっていた。

200772  読売新聞)

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